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連続ドラマ
TERM
フジテレビ 2001年10月10日(水)
21:00〜21:54
TITLE
『水曜日の情事』
a Wednesday love affair
 
CAST
本木雅弘   天海祐希
原田泰造   谷原章介
伊東美咲   北村一輝
石田ひかり    
    ほか
STAFF
原作・脚本 野沢 尚
プロデュース 永山 耕三
喜多 麗子
演出 永山 耕三
西浦 正記
主題歌 久保田利伸
『Candy Rain』
(SME Records)
制作 フジテレビ制作センター第一制作部

内容紹介
女性は母胎の中だけでなく、人間を育てることのできる生き物かもしれない。
男はどうやら、あまたの女性たちの手の中で転がされ、育てているよう…。
 それは、主人公・詠一郎の編集者として扱って来たどの小説よりも刺激的で衝撃的で甘美な出来事だった。
何処かで一度は聞いたことのある話。誰もが持ち合わせている男と女の願望。
このドラマは、あなたの今 と・な・り にいる人の、男と女の本音、本性をじっくり観せて?魅せて、行きます。

妻に不満はなくとも、温か危険な匂いに誘われて本能で動いてしまう男の本性。
心の奥底に眠っていた男の願望が目覚める。
ほかの女性と自分を秤にかけ、羨望の中に嫉妬を見出す女たち。
妻の愛人の手練手管に翻弄され、オロオロ、ハラハラ、ドキドキするばかりの夫。
そして夫だけが知らない『妻の秘密』『愛人の秘密』。
愛人よりも恐ろしく、強く逞しい妻の存在に気づく夫。
そんな危うい橋を渡るうち、思いもよらなかった展開が訪れる…。

『ウチの夫or妻に限って、こんな素敵なロマンスもこんな怖い事も起こるわけがない。有り得ない!』
と、他人事と失笑しながら観ることでしょう。しかしその夜、隣に眠るパートナーの背中をジーッと見てしまうはずです。
それは、あなたはもう、このドラマが頭から離れなくなっている証拠です。
そして、もう一つの大事なキーワード…。
このドラマは、スウィート・コメディーです!(甘美な喜劇)

<登場人物>

佐倉詠一郎[さくら・えいいちろう] 35歳 本木雅弘
大手出版社・文洋書店の文芸編集者。かつて、作家を志したが、自分には小説家の才能はないとあっさり見切りをつけ、育てる側の仕事についた。エネルギッシュな仕事ぶりから「行動隊長」とあだ名を持つ敏腕編集者である。
3年前、家族小説の取材で岡島あいと知り合い結婚した。自他共に認める愛妻家である。
妻の親友の出現により、結婚3年目にして初めて平穏な家庭に危機が訪れる。

「このドラマで描かれる愛憎感情は、特別なことではなく、見ていただく方の中にも絶対潜んでいるものではないでしょうか。
僕自身は、不倫といったエネルギーを必要とする面倒臭いことはできないタイプです。でも、このドラマを演じていく中で、天海さん、原田さん、石田さんたちの力を借りて、
予期せぬ自分、新たな発見をしていきたいと思っています」

佐倉 あい[さくら・あい] 33歳 天海祐希
 詠一郎の妻。リフォーム会社を小さいながらも経営している。建設学科ではなく美大卒。父とは幼い頃に別れ、別の男と再婚した母とも縁が切れ、金のトラブルで弟とも疎遠になっている。そして選んだ仕事は、「家の再生」…。夫・詠一郎とは何でも話し合い、幼い頃から夢見ていた温かな「家庭」に満足していたが、突然“過去”が目の前に訪れ、思わぬ方向へと操られてしまう。

「本木さんのようなハンサムでスマートな旦那様を持てて幸せです(笑)。
野沢先生の脚本は、色々な感情表現が出来るので楽しみですね。日本中、世界中の奥様を味方にしていけるよう頑張ります。」

前園 耕作[まえぞの・こうさく] 29歳 原田泰造
 ハードボイルド新人賞に輝いた、若手有望株のアクション小説家。詠一郎に“恋愛”小説を勧められるが、なかなか糸口が見つからないでいる。恋愛経験は少なく、愛し方はいつも直球である。文壇バーで知り合ったホステスの由香子からアプローチを受け、次第に惹かれていく。しかし一方で、詠一郎から恋愛小説の参考にと実体験を聴かされていくうち、それが操との「危うい恋」の話である事を知り、いつしかトライアングル・ゾーンに自ら足を踏み入れてしまう。

「気難しい豪快な役がくるのかと思ったら、生真面目な駆け出しの作家の役ということで意外でした。このドラマの放送自体は、家で奥さんと『こんなのあるわけねえじゃん!』とか言いながら見たいと思ってます(笑)共演者の方は皆さんいい人ばかり。
とにかく一生懸命やりたいです!」

岡島 明洋[おかじま・あきひろ] 31歳 谷原 章介
 あいの弟。CM音楽などを作曲している若手ミュージシャン。あいがコツコツ貯蓄していた会社設立資金を持ち逃げし、その過ちからこの数年、あいとは疎遠になっている。15年前のあいと操の“過去”の真実を知る唯一の人物。

「今回の話は不倫なのでドロドロしていると思っていたが意外にコメディーで『あ、これはいい』と思いました。男の人の間抜けさと、女の人の怖さが出ればいいと思います。
3人をひっかきまわす役なので、ドラマを面白くできたらなぁと思っています。」

浜崎 由香子[はまざき・ゆかこ] 22歳 伊東美咲
有名作家たちを常連客にしている文壇バー『ソル』のホステス。昼間は家電メーカーでOLをしている。“営業”で新人客の耕作に積極的なモーションをかけていたが、耕作の純粋さに思いが募っていく。だが、予期せぬライバルが出現し愛の本質に目覚めていく。
「昼はOL、夜はホステスという役どころ。監督からは、『バレーボール部ではなく、手芸部でやれ』と言われています。
だから元気な体育会系ではなく、しっとり落ち着いた手芸部のような女性、でも、芯は強い女性を演じたいと思っています」

沖野晶午[おきの・しょうご] 32歳 北村一輝
 インテリアデザイナー。公私共に、あいの良きアドバイザーであり、親友でもある。あいにとっては夫の詠一郎よりも本音を曝け出せる相手。そんな男女の壁を超えて親友関係を築ける所以は…晶午は女性をなぜか愛せないからだった。
「ゲイの役なんです(笑)。こういった役を演じるのはもう7回目!僕自身はそうではないので、どこまで出していいもなのか、そのさじ加減が難しいんです。フラットに地に足をつけてやって行きたいです」

天地 操[あまち・みさお] 33歳 石田ひかり
 10歳年上の財務官僚である夫が、突然ストレスから過労死してしまう。僅か2年の結婚生活だった。亡夫の実家からは追い出されたが、多額の保険金と労災金で佐倉家の近所に家を買う。葬式で、小・中・高と学生時代の親友だった佐倉あいと久しぶりに再会し、あいに誘われて詠一郎との家に幾度か遊びに行くようになる。15年間燻り続けていたモノが動き出し、箍がはずれたように詠一郎に近づいて行く。

「自分は童顔なので、愛人の役なんて一生回ってこないと思っていました。とても難しい役どころで苦戦しておりますが、本木さんが本当に美しくて毎日ウットリしています。まるで小説のような脚本は非常に面白いので、私は日本中の愛人の皆様を味方につけて、身体には十分気をつけて三ヶ月頑張りたいです」




『親愛なる者へ』『眠れる森』で、連続ドラマでは困難といわれたジャンル「ミステリー」を確立し、『親愛なる者へ』『素晴らしきかな人生』『この愛に生きて』“夫婦3部作”で家族の解体や再生を見事に構築した、小説家でもある野沢尚のオリジナル脚本です。
 プロデュースには、『東京ラブストーリー』から『ラブ・ジェネレーション』まで8本の視聴率30%ドラマを演出したTVドラマ界の超・ヒット・ディレクター永山耕三が連続ドラマの初プロデュース&演出に挑みます。
 脚本の野沢尚氏とは連続ドラマ7作品目の喜多麗子は、映画『大河の一滴』(五木寛之・原作、神山征二郎・監督/全国東宝公開)や、アーティストのつんくとタッグを組んだ『東京☆ざんすっ』(陣内孝則、ケリー・チャン、野沢直子、飯田かずな他・監督/つんくタウンFILMS)で、昨年映画プロデュースも手掛けました。そのほかに、4月クール『ラブ・レボリューション』の“月9”枠で連続・ドラマデビューを華々しく飾った平賀公泰。演出は永山のほかに、『バスストップ』や『ムコ殿』で演出の幅を広げている西浦正記が担当します。
 主題歌には、1996年の『ロングバケーション』の主題歌「La・La・La LOVE SONG」以来、フジテレビには5年ぶりとなる久保田利伸。書き下ろしの新曲「Candy Rain」はラブバラードです。
 さらに劇中、詠一郎と操が恋に落ちるきっかけとなりキーワードになってゆく、奥村チヨの「恋の奴隷」。死んだ操の夫が大好きだったという設定で、この他にも「終着駅」「嘘でもいいから」など懐かしい曲がドラマ独特の空気を盛り上げます。
そんな21世紀の新しい男と女のドラマを演じるキャストにも魅力的な布陣が揃っています。
1995年の『最高の片思い』以来6年ぶりにフジテレビの連続ドラマに戻ってきた、俳優界でも憧れの存在の本木雅弘。元親友に夫を奪われてしまう妻役に、華やかなオーラを放つ天海祐希。小説家役に、バラエティ界(ネプチューン)でも大人気の多才な原田泰造。この2001年7月クール火9ドラマ『救命病棟24時』で、才能を開花させた若手注目株の谷原章介。化粧品のCMで惜しみなく美しい体を披露している伊東美咲。また中性的な役柄が7回目という、時代劇でも凛々しく美しい姿の北村一輝。そして清純派のイメージから一転、不倫の愛を甘くせつなく演じきる石田ひかり…等が出演します。




(あらすじ)
<第1話>「生涯妻を愛する男」
佐倉詠一郎(本木雅弘)は、大手出版社・文洋書店の文芸編集者。エネルギッシュな行動力から「行動隊長」の異名を取るやり手だった。詠一郎と結婚して三年になる妻・あい(天海祐希)は、大手住宅メーカーから独立して、小さいながらリフォーム会社を経営するヤリ手キャリアウーマン。
 ラブラブな二人はそろそろ子供が欲しいと思うが、詠一郎は、新進のアクション作家・前園耕作(原田泰造)に狙いをつけ、これまでとは全く違った恋愛小説を書かせ、より大きく脱皮させようとしていた。
 そんな時、詠一郎はあいと共に、あいの親友・天地操(石田ひかり)の夫の葬式に出席した。そこで、詠一郎は、じっとにらむように自分を見つめながら何かを口ずさむ操に気づいた。操は奥村チヨの「恋の奴隷」を歌っていたのだった。それはまた、詠一郎への愛の告白でもあった…。  

<第2話>「肉体の小悪魔」
文壇バー「ソル」で、詠一郎(本木雅弘)は、耕作(原田泰造)に、挑発的な操(石田ひかり)のスタイルや言葉についてヒソヒソ話していた。それは、それで楽しい詠一郎だが、疑問なのは「あい(天海祐希)と操、親友なのに、高校を卒業して15年も会わないなんて、何か理由が?なぜ?」。詠一郎は考えあぐねていた。
 操が、隅田川の向こう、歩いて15分ほどのところへ引っ越してきた。手伝いに、詠一郎やあい、耕作もいたのだが、操は3人の目を盗み、詠一郎を誘ってくるのだった。詠一郎はドキリ。引っ越しが終わり、あいと自宅に戻った詠一郎が、疑問に感じる操との関係についてあいに聞くと「話して楽になっちゃおうかな」と、あいは、二人の間に起こったというある過去を話し始めるのだった。
 翌朝、久しぶりに詠一郎とあいは二人で朝食。トーストに「たまには和食が」と詠一郎は不満をもらす。先に出ていくあいを送り出し、詠一郎は急ぎ身支度を始めた。昨夜、操の話をあいから聞き「薄幸な美女は何をしているのか」と好奇心が起こったためで、初めて詠一郎は橋を渡り、操の家へ。
 入ろうか、止めようか、玄関先で迷っていると、ガラッ!と扉が開き、「待ってたの」と操。上がり込むと、詠一郎が食べたかった和食がテーブルにのっていた。
詠一郎の言う何かの日付は、その日の出来事に暗示があるという話から、操は「誕生日は11月9日、それって何の日」と聞いてきた。その日付に詠一郎はドキッ。それは詠一郎夫妻にとっては、重要な日付であったのだ。「いつでも来てね」。操にまるで新婚のように送られ、詠一郎はテレながら、一方あいには悪いと思いながら詠一郎は出社していった。そんなことも知らずあいは晶午(北村一輝)に、詠一郎ののろけ話をしていた。
 その夜、作家を「ソル」で接待、由香子(伊東美咲)らに送られ店を出た詠一郎は、今夜こそ「操を抱く」と決意を固めていた。しかし、いざとなるとどこか不安で「今夜国境を越える」と耕作に電話をかけ、勢いづけて操宅に向かった。ところが…。

<第3話>「恐るべき妻の正体」
「来週の水曜日、あい(天海祐希)は軽井沢、私は夫の納骨で実家へ。実は納骨には行かない。アリバイは完璧だから。待ってるから」。操(石田ひかり)にせがまれ、操宅を出た直後にハコ(金子さやか)を連れた明洋(谷原章介)に「義兄さん」と声をかけられたので、詠一郎(本木雅弘)は心臓が止まる思いだった。
 隅田川沿いの小道まで歩いた三人。そこで詠一郎は明洋から、あいとの仲直りの仲立ちをしてほしいと頼まれるのだった。
 出社した詠一郎は、作家の溝口(田村亮)宅に電話。すると溝口は、日光に取材に出かけて留守だった。そこで、詠一郎は、水曜日を実現するための企みを思いつく。あいへの罪悪感はあるものの「据え膳食わぬは〜とやら」。詠一郎もスケベ心いっぱいだった。
 その日の午後、耕作(原田泰造)の仕事場兼マンションを操が訪ねた。驚く耕作に、真剣なのか遊びなのか、詠一郎の本意を知ろうといろいろ探りを入れてくる操。「他人のものは盗ってはいけない。子どものころお母さんに教わったでしょ」と言う耕作に「作家にしては常識的な人。これは男と女というより、女と女の問題」と、操は話し、たまたま由香子(伊東美咲)がやって来たのを潮に、操は帰っていった。「女と女の問題」。しばし考える耕作だった。
 週末の土曜、佐倉家を明洋とハコが訪ねてきた。元々「憎めない奴」と話していたあいは、明洋を許し、特製の栗ご飯を振る舞った。操の話がでないか、ハラハラの詠一郎。
 詠一郎は明洋を庭に連れだし、気になるあいと操の関係を尋ねてみた。すると明洋は「お姉ちゃんがそう言うなら、それで…」と、あいから聞いていた、操が妊娠、それで明洋が家出…という話を曖昧に誤魔化し「お姉ちゃんを幸せにしてくれるなら遊んでもいい。ただ操が相手なら、恐いものがある」と意味不明な笑いを浮かべるのだった…。

<第4話>「シチューに夫の…」
 「すごい。すごすぎる」と、詠一郎(本木雅弘)は、操(石田ひかり)のベッドの中で目を覚ました。新大橋を渡り歩いて帰宅途中の詠一郎が、留守電をチェックすると、耕作(原田泰造)の「溝口先生がテレビに出ている。言い訳考えて」の声。
 詠一郎が自宅のドアを開けると、そこに湯上がりで髪を乾かすあい(天海祐希)がいた。「夫婦で朝帰りだね」というあいに、詠一郎はどんな顔をしていいのかわからない。
 その夜、「ソル」で、詠一郎は耕作に「先生のおかげで助かった」と最敬礼。
 詠一郎が帰宅途中のタクシーに乗っていると、携帯電話が鳴った。操だ。操は「私は、朝ご飯だけでなくてもイイのよ。待ってるから」と詠一郎を誘ってくる。それを振り切った詠一郎が家に帰ると、あいは昨日の疲れから先に寝入っていた。その寝顔を見ながら、前夜、操が話したあいのワルぶりや、操の肢体を詠一郎は思いだした。「それにしても、どうしてあんな女を俺の前に連れてきたのか」。詠一郎は別の疑問も感じるのだった。
 翌朝、操宅の玄関の呼び鈴が鳴った。「ちょっと早いナ」と思いながら、操が戸を開けると、そこに居たのは、詠一郎ではなく、何とあいだった!
 日曜日、仲の良い夫婦らしく詠一郎とあいは、買い物。この日は、操、耕作、由香子(伊東美咲)を食事に招いている。クリームシチューを作っていると、操がやって来た。二人で台所に立つ姿を見て、詠一郎は複雑な気持ちになってくる。あいが、ブロッコリーを忘れたと、慌ただしく買いに出た。操は二人になると、急になれなれしくなり、愛しているなら、今夜だけ結婚指輪をはずして、と甘えてきた。「いいよ」と詠一郎がはずすと操は、普段より多く作っているシチューの鍋に、その指輪を投げ込んでしまった。「なんてことを」と、詠一郎が、必死に玉じゃくしで鍋の底を探すがみつからない。 そこに、あいが帰ってきた…。

<第5話>「妻と愛人の記念日」
デートの後、ホテルで抱き合った詠一郎(本木雅弘)と操(石田ひかり)。けだるさを感じる詠一郎に操は「誕生日、一緒にいて」と言い出す。その日が、詠一郎とあい(天海祐希)の結婚記念日で、2人で北京ダックを思いっきり食べるイベントをする事を知っての操の挑戦だった。「一緒にいてくれなかったら、遺書に詠一郎の名前を書く」と半ば冗談のように話す操だが、詠一郎は本気に思えてきてゾッとする。
 急いで家に帰ると、あいが寝ないで待っていた。ホテルの石鹸の匂いを消そうと、詠一郎は風呂に飛び込んだ。出てきた詠一郎にあいは「初物」とむいた柿を差し出す。「旬のものを夫婦で最初に食べる。それが幸福な家庭の秘けつ」とご機嫌なあい。詠一郎もついついのせられ、二人の会話は「結婚記念日は、北京ダックで」と盛り上がっていく。
 愛人の誕生日と結婚記念日。この両方をうまくこなすにはどうしたらいいのか。この連立方程式を解こうと必死の詠一郎は、バー「ソル」で、耕作(原田泰造)に「先生の助けが必要なんです」と頼み込む。「あいさんに悪い」と言ってはみたものの、耕作も不倫の成り行きに興味があるらしく、詠一郎の計略に協力を約束することになるのだが…。

<第6話>「愛人、壊れる」
ホテルで抱き合った詠一郎(本木雅弘)と操(石田ひかり)。東の空が白み始め、操は「帰らないで」と甘えてきた。優しくかわし詠一郎が出ていこうとすると、操はおもむろにバッグから文化包丁を取り出し、「これであいを殺してきて」と、詠一郎の方に放り投げた。床に突き刺さる包丁。それを見て詠一郎は心底、ゾッとなった。
 包丁を持ち、朝帰りした詠一郎が、何もなかったようにコーヒーを飲んでいると、あい(天海祐希)が起きてきた。「朝帰り?」と聞くあいに詠一郎は「それはルール違反だろ」と言いながらテーブルを見ると、生命保険のパンフレットが目に入った。操が高額な保険に切り替えた方がいいとあいに勧めたという。妻を殺させ、いずれ自分も、前の亭主のように操の肉体で過労死させられ…。詠一郎の頭の中を恐ろしさが駆けめぐった。
 あいは耕作(原田泰造)のマンションを訪ねた。内装を手がけるにあたって、好みのインテリアを知りたくてと訪ねたあいだが、何故か、結婚記念日の晩に、耕作がなくしたと、詠一郎に助けを求めてきた原稿を読みたいと言い出した。
 この日、詠一郎はまっすぐ自宅へ。間もなく「あら、早いのね」とあいが帰ってきた。詠一郎はあいを誘い近くのスタンドバーに。そこで二人は幸せな男女とは、などを話題にし、久々に心が一つになるのを感じるのだった。そのころ操は自分の店にいて、詠一郎の携帯を鳴らしていた。「なぜ出ない」。イライラを募らせ家に帰る途中、操は、詠一郎とあいがふざけあいながら、楽しそうに歩く姿を目撃した・・。
 翌日、詠一郎が出社すると、操が訪ねてきた!

<第7話>「怖い女」
「お前の友達と何度も寝た」。詠一郎(本木雅弘)の告白に、佐倉家に集まった操(石田ひかり)、耕作(原田泰造)、晶午(北村一輝)らは、あい(天海祐希)の反応を探るようにシーンとなった。するとあいは「そうなると思っていた。仕向けたのは自分かもしれない」と言い出し、一同驚きを隠せない。さらに、あいは「ウソをついてくれたら許せたかもしれない。正直に話したということは、浮気でなく、ホントの愛」と続け、2人の破局は決定的になった。
 皆が帰り、詠一郎とあいの2人だけなると、しばらく沈黙が続いた。その沈黙を破り、あいは「これ以上暮らせない。この家は私にちょうだい。今夜は会社に泊まるから、一晩で荷物をまとめて」と出ていき、詠一郎は荷造りを始めた。あいが外に出ると、そこには操がいた。対峙する二人の女・・。
v  翌日、あいは晶午と会社近くのカフェで会った。思いとどまるよう話す晶午だが、あいは「償いの道具にカレを利用してしまった」と自分の気持ちを正直に話し、早々に取り寄せた離婚届を出し、証人になってくれるよう頼んだ。もう一人の証人には、あいはある人物にお願いしようと決意していた。
 荷物を操の家に運び込んだ詠一郎は、作家の溝口邸を訪ねた。数日の経過を話す詠一郎に溝口(田村亮)は「愛人と下手に遊んで家庭を壊したか」とぽつり。「ロマンスを持つことの一番の難しさは、ロマンスが去った途端、ロマンチックじゃなくなること」と話す。「確かに・・・」と詠一郎は思うのだった。
 一方、耕作は「ソル」で、志摩子(木村多江)や由香子(伊東美咲)が心配そうに見守る中、やや飲みすぎの様子。あいのことでモンモンとする耕作は相当に酔い、由香子とともに店を出た。が、タクシーが由香子の住むコーポの前に止まると、由香子は意外なことを言い出した・・。

<第8話>「逆転不倫」
あいと離婚届を出した詠一郎(本木雅弘)は、文壇バー『ソル』で、耕作(原田泰造)に「うまくいかなかったら、また戻ろうなんて考えてませんよね」と、釘を刺された。
 操(石田ひかり)の家に帰ると、操が玄関先にいた。愛人は愛人でなくなるとかえって不安になるらしい。そんなことを考えながら詠一郎は家に入った。
 一方、あいは、詠一郎が出ていった家の大改装を始めた。「女の一人暮らしにふさわしい家に作り替えようと思って」と、チェーンソーで壁を切り壊すあいに、心配で訪ねていった耕作はびっくりしながらも手を貸すのだった。
 一年がたった。詠一郎は、以来、あいが住む人形町には足を踏み入れていなかった。真ん中に横たわる隅田川を越えてはいけない国境と思い生きてきたのだ。
 ある朝、いつものように操に見送られ、家を出た詠一郎は、もう何を目にしても動じないと自分に言い聞かせ、あいの家に行ってみることにした。玄関先はウッデイに改装され、中がどうなっているのか、関心を持った詠一郎だが、きびすを返し地下鉄の駅に向かうと公園から赤ん坊を抱いたハコ(金子さやか)に「義兄さん」と呼び止められた。明洋(谷原章介)の子供が誕生、二階に子供部屋をあいが作ってくれたという。「四人家族か」と詠一郎が聞くと、ハコは「ときどき五人。お姉さんのボーイフレンドも一緒」と、ドキッとしたことを言い出す。
 その日、詠一郎は街の大手書店で耕作にばったり出会った。バツの悪そうな耕作を『ソル』に誘い、詠一郎は「人生切り売りした恋愛小説はどうなっている?」と詰め寄る。ちょくちょくあいとは会っていて、彼女に対する思いが募ってきている耕作は「先が見えなくて…」と答えるしかなかった。一方、ママの志摩子(木村多江)や、耕作と半ば同棲し始めた由香子(伊東美咲)は、詠一郎のパワーのなさを感じて、まるで別人のようだと思うのだった。
 詠一郎の中のあいの存在感は、操も薄々感じているよう。ある時、操は詠一郎に「昔のように恋がしたい。でも、年上や同じ歳はやめて」と言われてしまう。
 耕作が購入した中古マンションの改装をあいがしていると知った詠一郎は、そっと訪ねてみる気になった…。

<第9話>「追憶…会いたい…愛の告白」
あい(天海祐希)とキスしてしまった詠一郎(本木雅弘)が家に帰ると、操(石田ひかり)はこたつに入り、うとうとしながら待っていた。詠一郎の様子に、「何かおかしい」…操はピンときた。
「ぜひ前園先生に、恋愛小説を書かせましょう」。企画会議での詠一郎の演説も、あいとの口づけが何らかのパワーを与えたのか、いつも以上に力が入る。
 そのころ、前園耕作(原田泰造)はあいの会社を訪ね、一方、操は、あいの家を訪ねていた。
 あいは、風邪で会社に出ていなかった。応対した晶午(北村一輝)に、耕作はあいへの思いをぶつけた。「愛している」と堂々と宣言した耕作に、あいが未だに詠一郎に思いを寄せていることなど、あいの心情がわかっている晶午は「三十代の夫婦は五十年も残りの人生を寄り添わなければいけない。一年、ブランクがあったって・・・」となだめるが、「じゃあ、あの離婚届けはナニ?」と、耕作は理解できない。
 操はあいのためにリンゴを擦ってやった。高校時代もあいが風邪で学校を休むと、帰りにあいの家により、操はそうしてきた。「あのころと同じ」と言うあいに「詠一郎に会ってない?」と、操は刺すような一言。ドキッとしながらもキスのことはおくびにも出さず、あいは「ぜんぜん」と答えるが、操は本心からは信じてはいない様子。
 イチョウの落ち葉が風に舞うカフェテラスで、耕作は、由香子(伊東美咲)を待ちながら原稿を書いていた。由香子がやってきた。由香子は耕作が好きで結婚を望んでいた。「今度両親に会って」と迫る由香子に「親を連れてきて強行突破するような真似はよせ」とたしなめる耕作。
 あいが手がけた耕作のマンションの改装が終わった。さっそく、詠一郎は転居祝いの観葉植物を持って、マンションへ。満足そうに書斎机に向かう耕作に、詠一郎は、昔のパワーを爆発させ、突然土下座。「春までに恋愛小説をうちで出版させてくれ。先生が愛する人のために、泣けて泣けて仕方ない恋愛小説を作ってみよう!」と迫り、その勢いに耕作も書くと約束するのだった。
 約束を取り付けた詠一郎は上機嫌。帰りに操の店に寄り、操を誘って自宅近くのスタンドバーに出かけるのだった。二人がバーで盛り上がっているころ、あいが、耕作のマンションを訪ねていた。あいも耕作の気持ちは感じていた。「あいさんのために、僕、恋愛小説を書くんです」、耕作の感情が溢れ出す…。

<第10話>「最後の最後に…」
あい(天海祐希)に「もう一度、やり直さないか?」と、自分の気持ちをぶちまけ、帰宅した詠一郎(本木雅弘)は、操(石田ひかり)の話しも上の空。頭の中は、あいのことでいっぱいだった。一方あいは「やり直そう」と詠一郎に言われ、今でも詠一郎を愛している自分に気づき、心の中はパニック状態。帰宅した晶午(北村一輝)に癒され、やっと眠ることができた。
 翌朝「いってらっしゃい」と操に見送られながらも詠一郎が向かったのは、川向こうのあいの家だった。あいは、どうしていたのだろう? 心配になってのことだったが、家はシンとしてだれもいない様子。しかし、詠一郎は中に、あいがいると確信し「もう一度区役所へ婚姻届けを出しに行こう」と、気持ちを語り出す。あいも一瞬、心がグラつくが、「そんなことできる訳ないでしょ」とピシャリ。それでも、食い下がる詠一郎に、あいもついに「確かにあなたを待っていた」と、心の中を打ち明けた。しかし「私は操の親友なの。二人が詠一郎を奪い合う・・そんなのは耐えられない。現実は、恋愛小説みたいにはいかない」と気持ちを振り切るように言うのだった。
 詠一郎は賭けに出た。「初めてデートした場所で、明日の夜待っている」と詠一郎は言い出す。「覚えていない」というあいだが、「来なかったらあきらめる」と言って詠一郎は去って行った。詠一郎は、あいは絶対来ると確信していた。その場所は、詠一郎が、あいの「ぬくもり」を初めて知った場所だった。「どこ?」。あいは思い出せない。
 溝口(田村亮)から頼まれたアトリエ作りのため、溝口邸に出向いたあい。そこで、あいは、溝口と詠一郎のことを話題にするうち「愛はぬくもりと言い換えてもいい。人間はぬくもりを求めて生きていく」と溝口に言われ、ある決心をかためようとする。
 そのころ、耕作(原田泰造)は、操の店に新しい仕事場用のランプを買いに来ていた。話をするうち、詠一郎を失いたくない操、あいをものにしたい耕作は利害が一致。近いうち、二人は、絶対合うと確信する操は、耕作をけしかけ、現場に乗り込もうと提案する。ゾッとしつつ、耕作は承諾。そして二人して、詠一郎を付け始めた・・。

第11話「結婚式の悲恋」
あい(天海祐希)の愛を再確認したと思った瞬間、詠一郎(本木雅弘)は、突然現れた操(石田ひかり)に、自宅に連れ戻された。何もなかったように夕食を作り、話しはじめた操は、詠一郎に「結婚式を挙げよう」と言い出す。操は、式には、あいや耕作(原田泰造)を呼びたいという。詠一郎は、呆気にとられるばかり。それぞれの思いをいだいた、あいや耕作、晶午(北村一輝)、志摩子(木村多江)に由香子(伊東美咲)、明洋(谷原章介)&ハコ(金子さやか)夫婦らが出席して、詠一郎と操の結婚式は森の中の教会で始まった・・。


※現在closedになっていますサイト(www.geocities.co.jp/Hollywood-Cinema/1409/011004.htm)を参照させていただきました。
REVIEW
今期、最高に嵌っているドラマです!!(爆笑)ほんとに、ありがとうございます!(面白いドラマに出会うと嬉しくって、仕方ないです、えへへ)
今、関東地方で再放送見せていただいてるんですが、私の心を野沢さんに見透かされている様な、居心地の良い様な、不安な様な・・・・・詠一郎の悪戯っぽい軽さや小心さ、純粋さ、動物臭など、共感は仕切れないんですが理解出来ちゃう!あいと操の冷ややかな関係も、解る気がします(あんなに激しく生きた事無いですが・苦笑)今日は、詠一郎が皆の前でカミングアウトするところだったのですが、物凄い緊張でしたよう!!怖かった!!(爆笑)緻密な感じですよねぇ、心情も、言葉も!心底楽しませていただいてます、このドラマ、大好きです!!それでは、また!!失礼いたします!!続きが待ち遠しいぃぃぃぃぃ!!(爆笑)
by ミノリ (2009-05-20)
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