(みどころ)
野沢尚が、テレビ朝日の木曜9時に初登場。夫の過去と真実を追い求める妻の愛を軸にした、ラブミステリーをお送りする。
スポーツ紙に連載中から話題のラブミステリーを、原作者が自ら脚本化。財前直見、仲村トオル、筧利夫、田辺誠一、りよう、大杉漣といった、演技力溢れかつ個性的な役者陣が見応えあるドラマを彩る。
舞台は、開発されたばかりの郊外型リゾートタウン。この街で連続一家失踪事件が発生する。 2つの家族が次々と消えていく。失踪?誘拐?マスコミは騒然。 しかしこの“事件”の発端は、12年前のクリスマスイブに、海の向こうで起こったある“事件”にあった。
時間と空間を越え、2つの事件が1本の線となった時、すべての真相が明らかになる!
物語は、ある事に人生をかけた男(仲村トオル)と、それを知らず10年も彼を愛し寄り添ってきた妻(財前直見)が主人公。しかし、このドラマは単なる犯人探しのミステリーではない。本当のドラマは、夫のある秘密を知った妻が、夫を自分と娘の元に取り戻そうと
する“心の戦い”にある。主人公たち以外にも3組の夫婦が登場、幾つもの夫婦の絆の意味を問いかける。永遠のテーマであるこの問いは、謎と謎の中に見え隠れしながら、多くの人たちに共感を与えることだろう。
「第1回」
2002年4月。中河悠子(財前直見)は一家で都会を離れ、長野県元澄市で新しい生活を始めようとしていた。
結婚して10年。夫・欧太(仲村トオル)が不動産ディベロッパーとして念願だった自然との共生を謳った郊外型住宅「元澄リゾートホーム」を完成させ、2人は幸せの頂点にいた。新幹線で1時間強の通勤圏でありながら、10分も車を走らせれば渓流のキャンプ場もある、かつてバブル期にリゾート開発で失敗した土地を欧太が再生させたものだ。自然回帰ブームに、中河家を含めた8世帯が入居、この春中にも全20軒の住宅が埋まる予定で順調だった。
中河家が引っ越すと、既に住み始めている進藤萌(渡辺由紀)と山路君枝(秋本奈緒美)という、2家族の妻たちが迎えてくれた。親睦を兼ね、三家族で日曜日にバーベキューパーティーを催すことになる。
欧太の紹介で初めて顔を合わせる、外資系の保険会社に勤務する進藤要士(田辺誠−)と、Jリーグの英語通訳をしている山路康平(筧利夫)。だが緊張しているのか、2人は妙に打ち解けない。欧太が仕事の話をしているうちに、クールだった要士が挑戦的な態度になり緊迫した空気が流れる瞬間もあったが、子どもたちの歓喜の声にのどかな休日が戻った。
日がたつに連れ、妻たちは親睦を深め子どもたちも友人や学校に慣れていった。だがある夜、小さな事件が起こり…!
「第2回」
進藤家の消失事件で、元澄リゾートタウンには警察とマスコミが殺到。進藤要士の母のクレームで、長野県警まで出てきた。悠子(財前直見)と欧太(仲村トオル)は、不気味な刑事・熱田(大杉漣)の事情聴取を受ける。有能らしい熱田は既に君枝(秋本奈緒美)から、要士(田辺誠−)と欧太が言い合いをしたことを聞き出していた。そして彼と萌(渡辺由紀)の夫婦仲がうまくいっていなかったことも。しかし、一家で姿を消すような理由は見つからない。
住宅地住民の有志による山狩りが行われることになる。悠子や欧太、康平(筧利夫)の他にも、欧太の会社リバーランズに勤務する元自衛隊員の葛井(古田新太)も参加。その姿を厳しい目で見る君枝…。君枝は元テレビ局の報道の仕事をしていた。その頃、自衛隊の取材中に彼女は葛井と会ったことがあるらしい…。
山狩りでも進藤家は発見されなかった。熱田は、住民たちはもとより欧太の会社の内部事情まで調査を進めていたが、疑われるようなことはあるわけがないと怒る悠子。しかし彼女の弟・智行(高岡蒼佑)は、姉が何かを隠していることを察していた。
「第3回」
進藤家消失に続き、山路家まで消失してしまう。第1発見者は、また悠子(財前直見)だ。
現場の状況から、前日の朝までは普通通りの生活があった様子。康平(筧利夫)は午後の仕事の約束を無断で欠席していた。家族揃っての失踪なら、子どもが戻ってきた午後3時以降のこと…。
マスコミの取材はどんどん過熱していく。「神隠しの町」というレッテルまで生まれた。リゾートホームの住民からの非難は、欧太(仲村トオル)に集中していく。熱田(大杉漣)は、2組の共通点は、元澄リゾートに揃って入居したことしかないと、欧太の再事情聴取を行う。しかし2組の行方はわからない。欧太の身体を案じる悠子や娘の美奈に大丈夫と言いつつ、心の中で「すぐ終わるから…」と告げる欧太。
一方、悠子は、社会的にも追い詰められた夫のために、君枝(秋本奈緒美)から聞いた「要士(田辺誠一)の死んだ恋人を康平が知っている」という情報を、自分で調べることにする。2人の過去には接点があった?口外しないという君枝との約束を破り、悠子は熱田にこのことを告げる。
「第4回」
12年前、オーストラリアでの銀行強盗で殺された女性・大出類子(伊藤裕子)。要士(田辺誠一)の亡くなった恋人が類子なのか?
要士と康平(筧利夫)の接点が、彼女にあると直感した悠子(財前直見)は、類子の故郷の清水市に向かう。
しかし類子の母のみが残る大出家には、彼女の別れた恋人が誰かを教えるようなものは無かった。しかし、類子の墓には、今でも彼女が好きだった花が供えられているという。彼女を忘れられない元恋人が供えているのか?だが、要士と類子が恋人同士だったとしても何故12年後の失踪事件に繋がるのか…。
欧太(仲村トオル)の会社「リバーランズ」では、契約破棄や苦情が殺到。その対応に追われる夫を案じた悠子は、清水でつかんだ情報を自分の心の中だけに秘めていた。
そんな時、類子の母から、彼女が東京時代に訪れていた店の名前を知らされてきた。それは恋人と一緒に行った店らしい。しかしそのリストに悠子は、ある記憶が揺さぶられて…!
「第5回」
12年前に亡くなった大出類子(伊藤裕子)の恋人は、欧太(仲村トオル)だった?結婚前に悠子(財前直見)が欧太に連れられて行った幾つもの店、当時の髪形、そして欧太から贈られた口紅やアクセサリー。どれも類子と同じという事実に愕然とする悠子…。
朝、悠子は欧太が仕事に向かった後、彼の荷物を調べる。だが、大学卒業から結婚するまでの5年間の写真が一枚もない。欧太の消された5年間に何か起こったのか?
悠子は、欧太と葛井(古田新太)が知り合った経緯から、欧太の過去を探ろうとする。葛井は自衛隊のレンジャー訓練中、相棒を殺していた。過酷な訓練で錯乱した相手との正当防衛だったが、事件を嗅ぎつけたマスコミや上からの監視から逃れるため除隊する。しかし、それでも続く監視状態の葛井を助けたのが欺太だった。「社長は私の恩人です」と語る葛井は、欧太のために手を汚すことを全く厭わない様子。一体どんなことしているのか?だが、悠子に葛井の心の内を探ることはできず…。
一方、進藤家と山路家の失踪当時の足取りが、群馬県を最後に消えていることが判明した。彼らは群馬県内のどこかに潜んでいる?警察の捜査も群馬県内に集まっていく。その報道をじっと見つめる悠子は・・・。
「第6回」
失踪した二家族は、群馬県の廃村で生活していた。実は欧太の会社の部下である葛井(古田新太)が失踪したように見せかけて二家族をかくまっていたのだ。
12年前のオーストラリア、ゴールドコースト。そこで起こった悲劇的な銀行強盗の犯人は要士(田辺誠−)と康平(筧利夫)だった。その強盗事件で命を落とした日本人女性、大出類子(伊藤裕子)。時は経ち2002年、彼女を死に陥れた犯人の2人が元澄リゾートホームに入居し、失踪事件に巻き込まれたのは決して偶然ではなかったのだ。すべてはひとりの人物の復讐心から引き起こされた出来事だった…。
そんな事実を悠子(財前直見)は知る由もない。悠子は「夫を守るためには真実を突きとめなければ」と、必至に調査を進める。しかし真実に近づけば近づくほど、欧太への不信感は募り、不安に駆られるのだった…。
「第7回」
欧太(仲村トオル)を自殺に見せかけて殺す!?葛井(古田新太)の計画に乗らなければ未来はない、要士(田辺誠−)と康平(筧利夫)。2人の心に12年前の事件が苦々しく浮かび上がってくる。
要士と康平は、類子(伊藤裕子)しか知らない銀行の警備システムを調べるため、彼女に近づいた。オーストラリアに転勤となり、欧太のことが忘れられず仕事以外は酒に溺れる類子と、親しくなるのは簡単だった-。情報入手も見事成功した。だが要士は、徐々に類子に惹かれるようになり…。銀行強盗に至るまでの2人と類子の繋がり、そして衝撃の事件が明らかになっていく…。
深夜、要士と康平が準備する山小屋に、葛井に導かれた欧太がやってきて…。
その頃、悠子(財前直見)は、連絡が取れない欧太の身をひたすら案じ、途方に暮れていた。
「第8回」
葛井(古田新太)が持ちかけたとおり、欧太(仲村トオル)殺害計画を実行に移した、康平(筧利夫)と要士(田辺誠−)だったが、計画は思わぬ展開へ…。
袋小路に入り込んだ2人は、眠れない夜からの解放を求め、欧太の計画に協力することに…。それは、類子(伊藤裕子)の上司だった、12年前の銀行強盗の黒幕である元支店長で現副頭取の牛島(中丸新将)を誘拐するというものだ。そしてメトロバンクに彼の身代金を要求するという欧太。そんな計画がうまく行くのか?例え成功しても、自分たちが社会復帰できる保障は?必死に問う2人を冷たく見つめ返すだけの欧太。彼の本当の目的は何なのか?
一方、葛井から悠子(財前直見)が何かを察しているらしいことを聞いた欧太は、彼女に電話を入れどこまで知っているのかを探りを入れようとして…。愛し合いながらも互いに腹の探り合いを重ねる2人。 しかし、そんな会話を熱田(大杉漣)が盗聴し…!
「第9回」
2家族失踪事件の黒幕が、夫・欧太(仲村トオル)と確信した悠子(財前直見)は、夫の会社『リバーランズ』に向かう。欧太と葛井(古田新太)は不在。欧太の部屋に入った悠子は、彼が会社のホームページに設定したデータベースのパスワードを探す。その時、葛井が帰社。悠子は怪しむ葛井の前から、間一髪で逃げ出した。
葛井は、康平(筧利夫)と要士(田辺誠−)たちを見張る欧太に、悠子がパスワードを見つけた可能性ありと連絡。欧太は妻の動きを見くびりつつも、パスワード変更を…。だが悠子は、タッチの差でデータベースのダウンロードに成功!そのデータから牛島(中丸新将)の存在を発見。彼が事件の鍵を握っていると判断した彼女は…!
一方、欧太は要士を呼び出し、牛島への電話をかけさせる。「12年前の事件のために、2000万円必要。1週間以内に用意しろ」…。青ざめつつも、対策に頭を巡らせる牛島は…。要士も欧太の本当の目的が別にあるのではと考えるが…。
その頃、葛井は、康平の妻・君枝(秋本奈緒美)の姿を思い浮かべていた。12年前、自衛隊での葛井の事件を察知した君枝は、彼への単独インタビューを申し込む。取材者の関係を越えて彼を案じる君枝、そして河原での再会以降の彼女の視線を思い出す葛井…。
そして熱田(大杉漣)は、12年前の事件に欧太と要士、康平の接点があることを発見し…!。
「第10回」
悠子(財前直見)は、牛島(中丸新将)を尾行する。そんな彼女の行動を葛井(古田新太)が察知。彼も牛島を尾けているのだ。だが葛井は彼女の前にその姿を見せても、黙したまま去る。
悠子が帰宅すると、家の前には美琳(りょう)が熱田(大杉漣)の代わりに張り込んでいた。悠子は彼女を家に招き入れ、彼女と熱田との出会い、そして熱田の怪我の元となった事件を聞く。熱田は美琳を庇い銃で撃たれ体の半分を無くした…。熱田の体の左半分になり生きると誓う美琳の言葉に、悠子は自分と欧太(仲村トオル)とを比較し思い悩む廃屋に葛井が康平(筧利夫)と要士(田辺誠−)を迎えにやってきた。「明日戻る」と言いながら、生きて戻れるのかと不安な2人。
父親たちが息子たちと最後の団巣を行う一方で、君枝(秋本奈緒美)は葛井に「夫を必ず連れ帰って下さい」と懇願する。
翌日の日曜日、牛島がゴルフに行くと知った悠子も、娘を連れ出発する。しかし牛島はゴルフを途中で切り上げ、どこかに向かう。慌てて後を追う悠子。 しかし、その後ろから2台の車を追う姿が…!
「最終回」
雑踏の中で睨みあいとなった、葛井(古田新太)、康平(筧利夫)、要士(田辺誠一)、牛島(中丸新将)、そしてヤクサに雇われたストリート・ギャンク風の若者たち。その真中に夫を取り戻すため立ちはたかった悠子(財前直見)。だか欧太(仲村トオル)はそんな彼女に何も語らず、要士と電話を代われと言う。
欧太の話を聞いた要士は驚愕。要士は葛井が投けた拳銃を受け取り、牛島の体に憎悪を放出させた。衝撃を受け倒れる牛島。若者たちも凍りつく。さらに要士は銃口を康平に向け、再ひ銃声を響かせる。パニック状態になったそこかしこから、警察官の声が・悠子を尾けていた警察が包囲していたのだ。
呆然と立ちすくむ悠子の腕を引く者がいる。それは欧太・悠子は欧太に手を引かれ、刑事たちの死角を縫って逃走する・娘が残ったままなのに・。悠然と「夫婦のデートだ」と笑う欧太。悠子は真実を求め、欧太と共に逃避行の旅に出る‥・
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