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単発ドラマ
TERM
テレビ朝日 1994年10月6日
TITLE
ドラマスペシャル
『誰よりも君のこと』
 
CAST
坪井 知美 後藤 久美子
倉石 兵介 高嶋 政宏
坪井 隆治 大鶴 義丹
小島 恭子 深津 絵里
楠田 慎一郎 西村 雅彦
前島 的場 浩司
Ξ宅 西村 和彦
高森 中村 繁之
釣り船のおじさん 渡辺 哲
レストラン・パーの店長 松尾 貴史
カメラマン 加納 典明
    ほか
STAFF
脚本 野沢 尚
監督 松田 秀知
プロデューサー 岡田 亮
内山 聖子
(テレビ朝日)
三留 多佳城
元信 克則
(G・カンパニー)
演出 鶴橋 康夫
制作 テレビ朝日
(G・カンパニー)

内容紹介

(みどころ)
 このドラマは,いつの時代でも多くの若い女性が憧れるラブストーリー「シンデレラ物語」のいわは現代版ともよべる作品。
 最近のテレビドラマはドロドロとしたシリアスものやホームコメディーなど、現実離れしたストーリーを楽しむ作品が主流を占めているが、若い女性たちにとって、多分に心当りのある等身大のストーリーも忘れてはならない一つの方向ではないだろうか。
キャリアウーマンのように、経済的に自立し、自由を謳歌し、結婚しない女性が増えているとはいうものの,本当はいつか白馬に乗った王子様が現われるのを心待ちにしているというのが、昔も今も変わらない多くの若い女性の実態といえるだろう。
このドラマのヒロインは、アパレルメーカーに勤めるOLで、彼女もまた白馬に乗った王子様の出現を待ち望んでいる。
彼女がすっと以前から思いを寄せていながら、それに応えようとはしない幼なじみの男、勤務先の先輩で、自分をかっさらってくれるといった唯一の男、そして固い絆で結ばれ,都会の片隅で肩寄せあって生きてきた兄――――  この3人の男の間で彼女の心は揺れ動く。
このドラマは,一見、平凡な若者たちの恋と青春の葛藤の物語でありながら、果たして主人公はシンデレラになれるのかどうか,期待と不安が交錯したスリリングなタッチで、テンポよく展開されていく。
そこに描かれたテーマは、人間が生きるうえで最も大切なものは、“情熱”であり、恋愛における“闘い”であるという、決まりきったレールの上を走ることしか許されない現代の若者への熱きメッセージなのだ。
そして同時にそれは、青春の時を遠い彼方へ置き忘れてきた大人たちへの人生のエールでもある。

(あらナじ)
坪井知美(後藤久笑子)は都内のアパレルメーカーの企画部に勤めるOL。慣れない男性下着の企画開発に日夜頭を悩ませている。
彼女は最先端のビル郡と下町の風情を合わせ持つ町、東京は月島のワンルームマンションで一人暮らしをしており、近くにはサラリーマンの兄・隆治(大鵬義丹)が“契約結婚″と称して、知美の大学の先輩・小島恭子(深津絵里)と同居生活を送っている。そろそろ一年の「契約期限」が迫タ、「結婚」が現実問題となってきているが、二人はなかなかその言葉が切り出せない。
両親と遠く離れて生活している知美にとって頼れるのは隆治だけ。何回かあった失恋の痛手を癒してくれたのも隆治の兄としてのやさしい心だった。
ある日、男性下着のポスター撮影に立合っていた知美は、偶然に幼なじみで初恋の相手、倉石兵介(高鳴玖宏)と数年ぶりに再会した。
兵介は高校時代、アメフト部で隆治とはライバル関係にあり、高校生活最後の試合で兵介に敗れた隆治は、いまだにその時のことを根に持っていた。
知美にも兵介は強烈な思い出を残していた。彼女が高校生の時、兵介は彼女にお別れのキスをすると、そのまま知美の前から姿を消してしまったのだ。
そして今、兵介は「世界一のルポライター」を目指し、根無し草の生活を続けていた。
そんな自由気ままな兵介の生き方を、慣れないOL勤めの毎日を送る知美は憧れをもって見つめ、いつしか彼の存在が自分の退屈な人生を打破してくれる新しい「入口」のように思えてくるのだった。
しかし、知美の兄・隆治は、兵介のような一見いい加減な生き方に反感を持ち、また兵介も隆治のありきたりの人生を認めよりとはしなかった。
やがて、知美の兵介に対する思いはますます深くなっていくが、兵介はあくまで知美に対する愛情よりも、自由な現在の生活を優先し、彼女の気持ちに応えようとはしない。
隆治も知美の気持ちに気づいていたが、兵介にだけは知美を奪われたくなかった。そんな隆治の複雑な感情を恭子は苦々しく思っていた。
そんな時知美の前に現れたのが会社の先輩で、離婚歴のある楠田慎一郎(西村雅彦)だった。
慎一郎の積極的な求愛に、知美はとまどいながらも真剣に自分の気持ちを考えはじめた。
慎一郎の申し出に従って、彼の転勤の地・京都へ旅立とうか、それとも自分の気持ちに応えてくれない兵介を待てばよいのか、知美の心は揺れ動いた。
そのころ、兵介と隆治の間で、ライバルとしてのわだかまりと知美に対する気持ちの決着をつけるため、アメリカン・フットボール因縁の再試合に形を借りた奇妙な「決闘」が行われようとしていた――――。

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